あなたが読書する「目的」はなんですか??
目的によって読書の方法が変わることは、以前「ブログ:速読について」に述べた通りですが、ではどのような姿勢で読書をすることが望ましいのか?
私が参考にしている「十四カ条」をシェアします!
「読書家」と一口に言ってもそのジャンルは様々で、
速読する人としない人、電子書籍を使う人と使わない人、その分野を何冊も読む人と分野を超えて幅広く読む人などなど、いろいろな読書家がいます。
今回紹介する【「実戦」に役立つ十四カ条】は、立花隆『僕はこんな本を読んできた』(文春文庫)にあるもので、私が学生時代から大事にしてきた読書に対する姿勢です。
特に、私は当時学生だったので、⑭に非常に勇気づけられたことを覚えてますし、①~③は今でも私の読書の基本方針となっています!
皆さんもぜひ自身の読書の参考にされてはいかがでしょうか?
「実戦」に役立つ十四ヵ条
最初に断っておくが、あくまで仕事と一般教養のための読書についてであって、趣味のための読書ではない。
1.金を惜しまず本を買え。
本が高くなったといわれるが、基本的に本は安い。一冊の本に含まれている情報を他の手段で入手しようと思ったら、その何十倍、何百倍のコストがかかる。
2.一つのテーマについて、1冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か求めよ。
類書を読んでみてはじめて、その本の長所が明らかになる。そのテーマに関して健全なパースペクティブを得ることができる。
3.選択の失敗を恐れるな。
失敗なしには、選択能力が身につかない。選択の失敗も、選択能力を養うための授業料と思えば安いもの。
4.自分の水準に合わないものは、無理して読むな。
水準が低すぎるものも、水準が高すぎるものも、読むだけ時間の無駄である。時は金なりと考えて、高価な本であっても、読みさしでやめるべし。
5.読みさしでやめることを決意した本についても、一応終わりまで一ページ、一ページ操ってみよ。意外な発見をすることがある。
6.速読術を身につけよ。
できるだけ短時間のうちに、できるだけ大量の資料を渉猟するためには、速読以外にない。
7.本を読みながらノートを取るな。
どうしてもノートを取りたいときには、本を読み終わってから、ノートを取るためにもう一度読み直したほうが、はるかに時間の経済になる。
ノートを取りながら一冊の本を読む間に、五冊の類書を読むことができる。たいていは、後者のほうが有効利用になる。
8.人の意見や、ブックガイドの類に惑わされるな。
最近、ブックガイドが流行になっているが、お粗末なものが多い。
9.注釈を読みとばすな。
注釈には、しばしば本文以上の情報が含まれている。
10.本を読むときには、懐疑心を忘れるな。
活字になっていると、何でももっともらしく見えるが、世評が高い本にもウソ、デタラメはいくらもある。
11.オヤと思う箇所(いい意味でも、悪い意味でも)に出合ったら、必ず、この著者はこの情報をいかにして得たか、あるいは、この著者の判断の根拠はどこにあるのかと考えてみよ。それがいいかげんである場合には、デタラメの場合が多い。
12.何かに疑いを持ったら、いつでもオリジナル・データ、生のファクトにぶちあたるまで疑いをおしすすめよ。
13.翻訳は、誤訳、悪訳がきわめて多い。
翻訳書でよくわからない部分に出合ったら、自分の頭を疑うより、誤訳でないかとまず疑ってみよ。
14.大学で得た知識など、いかほどのものでもない。
社会人になってから獲得し、蓄積していく知識の量と質、特に、二十代、三十代のそれが、その人のその後の人生にとって決定的に重要である。若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ。
(「朝日ジャーナル」一九八二・五・七)