読書を継続する人が一度は体験するという「バカになる」という経験。
ふつうは逆のように思います。
読めば読むほど知識が身について賢くなっていく、と。
その内実と読書の姿勢について書いていきます。
もくじ
読書によって「無知」になる!?
みなさんは「無知の知」という言葉をご存知でしょうか??
ソクラテスが提唱した考え方の一つとされているのですが、知恵者と評判の人物との対話を通して、自分の知識が完全ではないことに気がついている、言い換えれば無知であることを知っている点において、知恵者と自認する相手よりわずかに優れていると考えた。また知らないことを知っていると考えるよりも、知らないことは知らないと考えるほうが優れている、とも考えた。
難しいですね!汗
別の言葉で言い換えましょう!
竹田 恒泰『日本人が一生使える勉強法』(PHP新書)には、以下のようにあります。
本物の勉強を始めると、だれもが体験する感覚があります。それが「勉強すればするほど、無知になっていく」という感覚です。(中略)
勉強を始めたころは、頭の中に「知っていること」と「知らないこと」しかないので、「知らないこと」が「知っていること」に変化すると、頭がよくなっているように思えます。
ところが勉強を突き詰めていくと「知らないことすら知らない」ことが山ほどあることに気づくのです。(中略)勉強すると「知らないことすら知らないこと」が「知らないこと」に転換されます。すると頭の中で「知っていること」の比率が低下しますから「勉強するほど無知になる」という現象が起きるのです。-(p142)
つまり今までは
「知っていること」 OR 「知らないこと」
だったので、「知らないこと」➡「勉強」➡「知っていること」というように
勉強の目的は「知っていること」を増やすことでした。
しかし、“本物の勉強”を始めると、世界観が広がり、「知らないことすらも知らない」ことが世の中にはたくさんあることが認知できるようになります。
そうなると、本を読めども、勉強しようとも「完璧になる」ということはなく、どんどん知りたいことが増え、逆に勉強量が増え、無知になっていくのです。
この感覚を体験できた時には自分の読書家としてのスキルが向上しているバロメーターとなりますから、不安がらずに継続されることをオススメします。
「無知」になる+「バカ」になる!?
また、知識量が増えると「バカになる」という現象も発生します。

神田昌典『バカになるほど本を読め!』(PHP研究所)で著者は以下のように述べています。
私の言う「バカ」とは、
①周囲の人からは「あいつって本当にバカなんじゃないか」と思われるような、既成概念にとらわれない発想ができる人。
②誰もやったことがなく、保守的な人からは「失敗するに違いない」と言われるようなことでも、果敢に行動に移せる人。
③頭でっかちになって行動できない常識人とは一線を画す、マッドでクレイジーなやつだけど、何かを成し遂げる「バカ」だ。ー(p3)
つまり、“いい意味で”バカになる、ということですね。
普段自分の知識や経験の中で考えると、突拍子のないアイディアや、イノベーションは生まれにくいものです。
その際にも本は自身の世界観を広げてくれるツールになると言うことです!