どうも皆さんこんにちは!
今回は「名言集」についての所感を書いていこうかと考えています。
というのも、名言の楽しみ方
もくじ
名言集の本質は”哲学”
核心部分の話ですが、名言集の本質は”哲学”であると考えています。
言うまでもなく、本はどのような解釈を持って読んでもいいし、いろいろな読み解き方ができるのも、本の良さである、と思います。
ただ、『名言集といわれる本』を読むときに、その言葉を発した人の本義(本当に伝えたかったところ)を汲み取れなかったのであれば、それは単なる励まし言葉、耳心地の良いことでしかなく、本当の意味での「名言」と呼ぶには程遠い、とも思うのです。
もっと単純な言い方にすれば、
その名言の深い哲学のような部分を理解せずに分かった気になるのは非常にもったいないということです。
ただ、その名言を理解するには、その言葉が発せられた背景の知識が欠かせません。
例えば、
大偉業をなした人の名言であれば、その時代の特徴、その人の育ってきた環境、その人の性格や気質、その人が経験してきた苦難の数々、そこから出た名言の重み、などがあると思います。
もっと具体的に言いましょう。
実際に、福沢諭吉の『学問のすゝめ』の有名な言葉【天は人の上に人を造らず、天の下に人を造らず】誕生の前には、福沢諭吉の半生を振り返る必要があります。
時代は明治維新前後、下級武士の家に生まれ、父は諭吉が2歳の時に他界。
その後は、かなり長い間、お金に困る生活を余儀なくされる。
ある日、「武士の生まれでなければ学者になりたかった」と父が生前語っていたことを知り、
当時の身分制度に対する憤りと不満を覚える。
その後、ペリー来航などの影響により、当時の幕府や身分制度が不安定になるにつれ、人は本来平等であるのに、個人の能力より身分によって人の貴賤が決まってしまう現状への不満がますます強くなる。
家のモノを売り払うなどしてお金を作り、当時の流行であった蘭学を志す。
尊王攘夷、戊辰戦争と日本の政治が激変する中、
世界を見れば、議会制民主主義、産業革命など、今の日本が世界の文明から大きく遅れていることを痛感。
諭吉は教育者として、世界と渡り歩いていける人材を日本から輩出していくための方途として『学問のすゝめ』を執筆。
その冒頭の一文が、
・「天は人の上に人を造らず、天の下に人を造らず」
➡もはや身分には生まれつきの差はないけれども、”学問“をするかどうかによって、地位や財産に差が生まれる。
という言葉です。
いかがだったでしょうか??
そういった知識を持って福沢諭吉の名言集を読むと、捉え方が変わり、言葉一つ一つの重みもより一層感じるのではないでしょうか??
名言の価値は”背景知識の数”で理解される
つまり、名言というのは背景知識の数によって、より正しくその意味が理解できます。
いわゆる”コンテクスト“と呼ばれるものですが、これがわかっているかないかが、理解力と認識力に深い影響を及ぼすと私は思います。
たった一行、一文ではありますが、そこに含まれている含意に気づいてしまうと、その言葉に対する深い敬意と感動がありますよね。
私は実際、名言集はあまり積極的には読みません。
というのも、
やはり偉大な人物の言葉を、まるで大安売りのように陳列されているのも、敬意がないように感じますし、
名言集をピックアップした側(名言集の著者)の理解度合いについて、読んでいて疑問符が付くときもあり、あまり読後感がよくないことも一つです。
本来は、その名言の誕生背景を丹念に調べてみると、一文につき本が一冊かけるほどの深い哲理がそこにはあるので、
自分が本当に尊敬している人物の名言集を読むか、名言者に興味が出るきっかけとして読むことが多いです。
名言を理解するための理想的な教材
ちなみに名言を理解するのに一番いい本のジャンルがあります。
それは、本人が書いた”自伝・伝記“です。
読めば、当時の状況や著者(名言者)の心情や思考がよくわかりますし、人生を疑似体験することができるからです。
[元気になるためのポジティブ名言集]として名言に触れる。
もちろんこれはこれでいいと思います。
それにプラスαの感動体験を得るため、その周辺知識を持って、名言を読んでみる、という読み方はいかがでしょうか??
私はその読み方こそが名言集の最高の読み方だと思います。
興味があったら試してみてください!
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