もくじ
速読についての所感
―速読って何??どうやってやんの??熟読とどっちがいいの??
恐らく読書を始めるときに、最初につまずくのは【本の選び方】と【本の読み方】の2つかと思います。
今回は【本の読み方】をテーマについて所感を述べていきたいです!
【前提】そもそも速読や熟読を論じる前に…
皆さんはどんな目的で読書されていますか??
普段はあまり目的などは意識することがないかもしれませんが考えてみましょう!
Q1.なぜ読書をしようと思ったのですか??
Q2.何を得るために読書するのですか??
例えば人によっては、暇つぶしで読まれる方もいれば、娯楽目的で読まれる方、知識がほしくて読まれる方、情報を仕入れたい方も、教養を身に付けたくて読んでいる方もいるかと思います。
では次の質問にも考えてみてください!
Q3.では、その目的を果たすためにどんな本を読みたいですか??
小説でもいいですし、ビジネス書でも一般教養書でも何でもいいのですが、
実は!この目的と読むジャンルによって、速読した方がいい本と熟読するべき本がはっきりと分かれてしまいます!
「速読」と「熟読」は一長一短
このページをご覧になった方は、「速読」と「熟読」のどちらがいいのかの結論を知りたいと思うので、先に結論から言いますが、
「どちらの方法も一長一短なので、どちらかのみに偏らず二刀流で行くべし!」
というのが私の読書経験から導き出した結論になります!
どういうことでしょうか??
例えば、娯楽目的で推理小説を読むことをイメージしてみてください。
この場合、読書から得たいものは、犯人の名前や結論の部分ではなくて、どういう構図の話か?、どのように推理が展開されるか?、どういう動機で事件は起こり、真犯人は誰なのか、など物語全体をゆっくり楽しみたいはずです。
であれば、さっさと結論部分を読んで早く読み終える「速読」は向かないでしょうし、長く楽しむためにも、どちらかといわれれば、この場合は「熟読」することが望ましいと思います。
では、読む本全てを「熟読」すればよいのでしょうか??
今度は、情報を手に入れる目的で、ビジネス書を読むことをイメージしてみましょう。
この場合はさっきと違い、”何をすればいいか”、”何を訴えたいのか”などの、筆者の主張が理解できれば十分なので、一字一句すべてを読む必要はないでしょう。
ですので、時間を節約する意味においても、「速読」の方が向いていると思われます。
このように、目的と読む本によって、読み方を変えた方が良い場合もあるんです。
ですのでこれから、私が思う「速読」の長所と短所について書きます!→※熟読はまたの機会に!
「速読」の長所と短所とは??
細かい話ですが、「速読」と一口に言っても、いくつもの種類があって、斜め読み読書法、レゾナンスリーディング、フォトリーディングなど、定義や目的によってやり方も様々です。
今回は個々の速読法にはフォーカスせずに、ざっくりとした意味での「速読」について、書いていきます!
・近年は”速読”について雑誌やテレビで話題になり、まるで宗教のようになりつつある速読ですが、
実は2つの誤解があると思っています。
①速読=お手軽な読書法、という誤解
②速読>熟読、という誤解
はっきりと申し上げます。
★本当の意味での速読は、それなりに熟達した読書家でないとできません。
★速読で得た知識が熟読より記憶の定着を促進することはありません。
★速読の強みは、時間の節約力と情報の取捨選択能力を身に付けることにあります。
「速読」とは、早く読み、早く情報を仕入れることを目的とした読書方法である。
と定義した場合、★の内容はわかりやすいかと思います。
また、佐藤 優『読書の技法』(東洋経済新報社)には、速読について、
「速読」は熟読するに値する本を探し出すための読書方法であり、速読が熟読より成果を上げることはない、
と喝破しております。
なぜでしょうか??
先ほども言ったように、「速読」とは、早く読み、早く情報を仕入れることを目的とした読書方法です。となれば、
- 自分が本当にその本から得たい情報が何なのか?
- どのページに行けばその文章を探り当てられるのか?
- そのページを探り当てられたとして、その文章の内容を理解できるのか?
といった問題が解決できて初めて、速読が「効果のある学び」になります。
つまり、上記の問題を解決するには一種の”勘所”のようなものが必要になるわけですが、
これは「知識」というよりは、むしろ今までの自身の「読書経験」によるところが大きいように思われます。
したがって、速読においては以下の条件をクリアできていることが大前提となります。
①本を読む目的とレベルが、自分の今の状態(知識量や集中力)と、ある程度一致している。
②熟読の技法を扱え、かつ速読の方が適している本だという判断力が身についている。
でなければ、たとえ何十冊と本を読んだとしても、読んで得た知識が血肉になることがないと思われます。
速読 | |
メリット | デメリット |
・時間が節約できる ・情報の取捨選択が身につく ・情報を得る目的の読書に向いている |
・情報を読み取れる実力が必要である ・学習効果は熟読より劣る |
速読するべき本
では、どんな本を速読するべきか??ということですが、情報を仕入れる、別の言い方をすれば「結論部分だけを知れれば十分な本」ということになります。
具体的には、「ビジネス書」や「ノウハウ本」「実用書」といった本がそれに当たります。
たとえば、料理のレシピ本の場合をイメージしてみてください。
恐らく全てのページを読むというより、今から作る料理が載っているページ”だけ”を開くことになると思います。
他にも、新聞や辞書も、端から端まで読むより、気になった所を読み取ったらそれ以上読まない本は速読に適した本ということになります。
また、“熟読するべきではない本”も速読の対象になります。
これはどういうことかと言いますと、人生が有限である以上、読める本の数に限界があるというということです。
そういったことを前提にしますと、熟読するに値する本を弾き出すために速読する、というのも読書家にとって必要なスキルであるように思います。
例えば、
「お金をかけて買ってしまったので読まないと損」
「後半から面白くなるかもしれない」
という方もいらっしゃると思います。私自身もその気持ちはよくわかります。
しかし、私はこう思うのです。
「だらだら学びのない本に時間をかけてしまう方が損」
「前半が面白くない作品の大半は、後編も面白くない場合が多い」
なので、「今の自分が読むべき本ではないな」と思ったら、私の場合は読まずに脇に置いて、次の本を読み始めます。
経験則から言えば、その方法が読書の集中力が上がり、時間の節約になったので、そういう考え方を取り入れられてはいかがでしょうか。
結論
・「速読」は学習目的にはあまり向かず、情報収集に適した読み方である。
・速読にはある程度の読書経験が必要である。
・あまり熟読する価値がない本(時間や労力をかける価値がない本)であれば、速読で済ますことによって時間の経済になる。
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